谷地宙ブログ Written by Yachi Sora

【早稲田生アスリート】W杯ノルディック複合団体3位の背景には何があったか〜Road to Beijin Olympic

NordicCombined

こんにちわ、ソラです。今回は、ノルウェーで行われたW杯団体戦、個人戦についてブログを書いていこうと思います。

ノルディック複合ワールドカップ団体戦3位の背景

私個人としては、初めてのW杯団体戦。初めてのリレハンメルでの試合。
程よい緊張感はありましたが、すごい緊張したとかはなかったです。
その理由は、夏からイメージしていたから。
どうイメージしていたのか?

  • 国際スキー連盟(FIS)のW杯カレンダーが出る
  • フィンランドのルカ(W杯開幕戦)で結果を出して日本人4番以内に入れば団体に出場のチャンスがあるかも?
  • 団体戦に出場した時のイメージトレーニングをしよう。

このように考え、夏からイメージトレーニングと実際のトレーニングを並行してやってきました。
夏からイメージするの速!!!って思いますよね。
でも、イメージはこの先にあるオリンピックでのメダル獲得まで続いています。
オリンピック前にワールドカップで行われる団体戦はこの1戦のみ。
オリンピック前に表彰台に上がる経験をしておくと、その先にいい流れが作れるのではないかと個人的には考えています。

オフィシャルリザルト

https://www.fis-ski.com/DB/general/results.html?sectorcode=NK&raceid=2758#down

ジャンプはどうだったのか。

ジャンプは個人的にかなり苦戦しました。チームメイトの先輩方に助けてもらいました。ルカのジャンプ台はヒルサイズ140mの超特大ラージヒル。それに比べて今回はノーマルヒルでした。ジャンプ台の特徴とスタートゲートから助走姿勢を組むまでの流れが噛み合わず、厳しい展開。
本番のジャンプまでの徐々に内容と飛距離は良くなっていったものの、ギリギリのジャンプという印象でした。もっと強くなりたい。もっときれいに着地したい。心の底から思います。
ただ、W杯は毎週国をまたいで移動し、週末は試合があります。ジャンプ台の大きさ・特徴が違うのはもちろん、食事・文化も違います。これは面白さでもあり、難しさでもあり、W杯を転戦する醍醐味です。どこのジャンプ台に入っても、自分のジャンプをする。様々なジャンプ台・文化・食事を楽しむ。楽しむ心を忘れずに、調整はシビアに。

クロスカントリーは第1走。

5秒前にはオーストリア。速い選手でしたが、まずは追いつく。そして最後まで粘る。これが私の役割でした。ルカでのW杯では、ラストスパートで海外の選手に負けてしまう展開が多かったので、この日は確実に最後まで粘って2走の山本選手に繋ぐことを意識して走りました。
レース会場に行く際は、音楽で気持ちを盛り上げ、『俺ならできる』そう言い聞かせ、会場へ向かいました。気持ちで負けないことは、何より大事です。
レースの展開は、速い段階で前の選手に追いつき、踏ん張りながら体力を溜め、3位のオーストリアとほぼ同着で2走に繋ぐ事ができました。その後も2走の山本選手、3走の渡部善斗選手が力走し、アンカー渡部暁人選手につながりました。
アンカーの帰りを待っている際、こんな事がありました。ゴールゾーンの近くにいた走り終えたオーストリア選手たちが、ビブを着だしました。どういうことか。3位までのチームはアンカーがゴールした後、写真を撮るので、その準備をしていたということです。
私たち日本チームは、この行動を見て、「勝利宣言されているじゃん」となり、気持ちで勝つためにビブを着て、暁人さんがメインスタジアムに戻ってくるのを待っていました。
結果は接戦を制し、3位表彰台。
初めての表彰台はかなり嬉しかったです。

今大会で学んだこと・大切だと思ったこと。

  • 失敗したらどうしようは現状維持への執着
  • 練習ノートの大切さ

失敗したらどうしようは現状維持への執着

私自身、今大会で「失敗したらどうしよう。」と考えることはありませんでした。しかし、今の現状に満足していては成長できない。と感じたのです。それは先輩の姿から。先輩方を見ていると、常に新しい自分を発見しようとしているように見えます。外から見ていると、先を見て行動しているのがわかります。自分自身の「今」そして「結果」を受け入れ、失敗もするかもしれないけれど、もう一度立ち直り、改善しながらさらに前へ。
試合は機械的に自分のすべきことをできる人が強いです。
そのためには、自分自身の内面と向き合うことが大切だと思います。

練習ノートの大切さ

今大会は、練習ノートがなかったら、絶望的なジャンプになっていたと思います。
私は練習ノートに、ジャンプ台の形状、特徴、スタートゲートの高さ、風向きの傾向など、様々な情報を書いています。私は他の人と比べ、感覚が鋭い方ではありません。どちらかと言うと、頭で考えて身体をプログラミングしていくタイプです。スタートゲートの高さや、ジャンプ台の形状から似たようなジャンプ台でうまく行った時の自分の感覚を見つけ、修正の参考にします。そうすることで、悩んでいるときにいち早く修正ができます。本来であれば、感覚を磨いてその場で修正できれば最高ですが、私はまだ修行中です。練習ノートは小学生からずっとやっていますが、私はかなり助けられてきました。
そういえば最近、英語の日記も始めました。

日曜日:個人戦は27位でW杯ポイントゲット

個人戦第4戦は、ラージヒルで行われました。公式練習、予選、本番と3本。なかなかいいジャンプが出ずに試行錯誤しながらのジャンプでした。本番、最低限のジャンプはできましたが、内容は良くなく、課題が残る前半28位。テレマークは全くダメです。誰か教えてください。小学生のジャンパーの子達の方が確実に上手い。。。。(凄い)空中へのスムーズな移行ができず、空中後半から着地までの流れも悪くなってしまいました。それでも、3本で距離的にはまずまずだったので、成長はしているのだと思うことにします。今後の課題は、安定した助走姿勢。テレマーク。そして、安全・健康第一に過ごすこと。

28位から1つ順位を上げ27位でフィニッシュ

後半クロスカントリースキーの内容は、良かったと思います。ラップタイムも15位と過去最高を更新し、速い集団に最後まで食らいついて行けたことは今後の自信につながりました。フォームや、駆け引きという面では伸び代がかなりありますが、安定して走れている実感が湧き、自信がつきました。集団の中で良い位置取りができず、最後は集団の後方でのゴールとなってしまいましたが、ポイントを獲得し、3戦連続でポイントを獲得できてよかったです。目標の15位以内に入るためにはジャンプでトップ10で折り返すのが必須条件。来週はエストニアのオテパでW杯。それまでに少しでも成長し、強くなった谷地宙を皆さんにお見せできるように頑張りたいと思います。
応援よろしくお願いいたします。

谷地宙について
谷地 宙(やち そら)のプロフィール【アスリートです。】
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