谷地宙ブログ Written by Yachi Sora

【現役早稲田生アスリート】ノルディック複合 W杯開幕戦ルカツアー3日間の振り返り〜Road to Beijin〜

NordicCombined

こんにちは、ソラです。

今回は、ノルディック複合W杯開幕ルカツアー3日間の振り返りをしようと思います。

小話が最後の方にあります。(サウナ、-20度の世界)

W杯への意気込みはこちら

【早稲田生アスリート】ワールドカップへ向けた意気込みとは?早稲田祭についても触れます。

ノルディック複合 W杯開幕戦ルカツアー3日間の振り返り

ついに、ノルディック複合のワールドカップが始まりました。開幕戦からW杯に出るのは初めてなので、非常に楽しみにしていた3日間。-10度から-20度の超極寒の中、開幕戦を戦い抜きました。
開幕戦はフィンランドのルカという場所で行われました。ルカはスキーリゾートで、スキージャンプ台、クロスカントリースキーコース、スキー場があり、飲食店やホテルなども立ち並ぶ小さな総合リゾートのような場所です。
前回のブログでも触れましたが、ルカには高校生の時に県連の国体強化遠征で3回W杯観戦にきています。当時から、大学3年にはW杯開幕戦からW杯に出場し、北京オリンピックに出場するということをイメージしていました。当時、周りの人にそう目標を言ったときには鼻で笑われることもありましたが、自分を信じてやってきて良かったと感じています。目標は高いと感じるくらいが丁度いい。私はそう考えます。
私はイメージトレーニングをする際、一番いいイメージと、最悪なイメージの両方をします。
いいイメージだけだと、現実とのギャップが大きすぎた際に心が乱れますし、挫折します。
逆に悪いイメージや、控えめなイメージだけでは、イメージ以上に良い状態になったときに、自分の可能性にストップをかけてしまう事があると思います。
まぁ、イメージって難しいですよね。結局はその人オリジナルのイメージをするのがいいのかもな、とも思います。

試合前の感触

ジャンプは冬に入ってから最初は滑りの良さに苦戦していましたが、徐々によくなって来ていました。助走姿勢を安定して組めるような方法を掴みかけ、良い調子でした。
クロスカントリーは、ルカに来る前に同じフィンランド国内で行った合宿中のタイムレースで、昨年度よりは速く滑れるようになった実感がありました。しかし、W杯での海外勢の速さを昨シーズンの経験でかなり感じていたので、自信は少しだけでした。

1日目:個人戦5km

今シーズンの開幕戦となった個人5km。個人的に狙っていた試合でした。前日の予備飛躍は15位。過去最高順位のジャンプをし、失敗も少なかったので、「いけるな」と思いました。しかし、ジャンプは大失敗。正直かなり落ち込みました。前半ジャンプが終わり、30位。まだ後半クロスカントリーがあったので、気持ちを切り替えてとにかく全力で走りました。少し後ろにドイツ、オーストリアのクロスカントリーの強い選手がいたので、一緒に最後までついていき、30位以内にギリギリ入る事がこの日の課題でした。1周目の途中に追いつかれ、その後後ろをついていく展開。昨年であれば、1周と少ししかついていけませんでしたが、この日は最後の激坂の手前まではついていけました。しかし激坂でのスパートは全くついていけず、31位。残念でしたが、速い選手についていけたことはかなり刺激になりました。
壁にぶつかった時、どのように壁と向き合うか。
長いシーズンの開幕戦。まだ始まったばかりで、目先の感情や苛立ちに気を取られてしまうのは時間がもったいない!
私が変えられるのは、過去でも未来でもなく、「今」。
「今」自分の感情を、行動をどう変えるのかが2日目以降に自分のできる最大限のパフォーマンスができるのかどうかの違いだと思います。
明日は新しい1日で、新しいチャンンスが来る。
そう考えて寝床につきました。

2日目:個人戦10km

前日の失敗ジャンプの恐怖が少しありましたが、この日ジャンプの前に意識していたことは2つ。
「楽しむ」「リラックス」
この日は、無難にジャンプを終え、19位で前半ジャンプを終えました。
ジャンプ直前、周りの樹氷と朝焼けが綺麗だな、と思いました。
これくらい気持ちに余裕がないとダメですね。
緊張しすぎていたり、視野が狭くなっていると、自分の変化にも気付きづらくなります。
ジャンプは自分の中にある感覚が大事なので、自分の感覚を高めるためにも、景色を楽しみ、試合も楽しむ心の余裕が大事だと思います。

3日目:個人戦10km

前日にポイントを獲得し、クロスカントリーに関しても昨シーズンよりも成長を感じる事ができたので、この日は気持ちに余裕を持って望む事ができました。
結局ジャンプは強風のためキャンセルになってしまいましたが、いいジャンプをする事ができ、残り約10人で2位につけていました。
試合は1日目の前日に行った予備飛躍(PCR)を採用し、15位でのスタート。
前後10秒に人がいなく、一人でペースを刻んでいかなければならないレース展開でした。1週目の最後に超特急ドイツ集団に追いつかれ、少しだけついていきましたが、早すぎて早々に引き離され、また一人旅。
最後まで集団ではしる事ができず、厳しい展開になりました。
しかし、昨シーズンであれば一人旅になったら確実にズルズルとペースが落ち、順位も一気に下がっていくであろうところを最小限に止め、21位でのフィニッシュ。
自己ベスト更新はなりませんでしたが、この日も少し成長を感じる事ができました。

サウナ小話&-20度の世界観

ホテルの部屋にはサウナルームがあるのがフィンランドスタイル。
スーパーに行ったらヴィヒタと呼ばれる、草を染み込ませたお湯をロウリュウし、サウナルームは森の中のような香りに。たまにアロマオイルを垂らしたお湯をかける時もあります。
これで私もサウナー。名乗れますかね。
-20度の世界観は、クロスカントリースキーで降っているときに、眼球が凍りそうおになります。自然に涙が出て、さらにまつ毛も凍るので、目をシュパシュパしながら降ってきています。
外でケータリングの食べ物を食べようと口を開けた瞬間、口の中がパキパキしてむせます。
極寒の中動くと普段以上に体力を消費するので、最強のダイエット法かもしれません。笑

次戦 リレハンメルに向けて

ポイントを20位、21位で2回獲得できたのはいい収穫になりましたが、3日目のクロスカントリーのラップタイムはトップと2分。海外勢は3日目にして調子を上げてきているような印象も受けました。
次戦、ノルウェー(リレハンメル)での2戦は団体戦と個人戦。
団体戦に出場し、表彰台を獲得。個人戦での8位内を目標として、しっかり調整していきたいと思います。
ジャンプは安定感を出して安定して上位にキープできるようにし、クロスカントリーは集団の中でいかに力を温存してラストとスパートで競り勝つか。
そして一番大事なのは感染予防、健康、安全。
個人的にノルウェーではブラウンチーズとワッフル、ジャムの組み合わせがかなり楽しみなので、そこも楽しみにして、頑張りたいと思います。

来週もリラックスして、エンジョイして、W杯を楽しみたいと思います。

今後とも応援よろしくお願いいたいします。

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